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働き方考

素材・化学業界で就職するならここが狙い目

ボクは素材・化学業界で15年以上働いてきました。
メーカーも商社もどちらも経験してきたので業界の実情がよくわかります。

そんなボクが、新卒や中途の就職活動で素材・化学メーカーに興味を持っているあなたに素材・化学業界のリアルをお伝えしたいと思います。

この記事を読むことで、

素材・化学業界の構造やカルチャー、
就職活動や転職活動ではどんな会社が狙い目か、

といったことがわかります。
参考になると思いますのでぜひご覧ください。

 

 

素材・化学業界の構造

一口に素材・化学業界といっても、会社ごとに大きく業態が異なります。
なぜなら素材・化学メーカーというのは、

原料の石油を扱うメーカーから、
最終製品に近いプラスチック製品を作るメーカーまで、
多種多様な会社が含まれるからです。

 

その中でも有名な最大手のメーカーは、総合化学メーカーと呼ばれる会社です。
具体的には「三菱ケミカル」や「住友化学」「旭化成」「三井化学」「昭和電工」などです。
これらのメーカーは川上の石油化学から川下のプラスチック製品まで、幅広く手掛けています。

総合化学メーカー以外の会社は、それぞれ得意とする分野があり、素材・化学業界の中でもさらに業界が分かれています。

「東レ」や「帝人」は繊維分野を得意とするメーカー。

「信越化学工業」や「富士フイルム」「日立化成」などが得意とするのは機能性材料。

「東ソー」や「トクヤマ」といった苛性ソーダなどの川上原料を得意とするメーカー。

「エア・ウォーター」や「大陽日酸」はガス分野。

「宇部興産」や「JSR」はゴム分野。

「DIC」や「日本ペイント」や塗料・インキ分野。

「花王」や「ライオン」は洗剤。

などなど、専門分野の異なる大手メーカーが多数あります。

 

ここまで挙げたのは大手メーカーのごく一部ですが、さらにこの他に中堅〜中小メーカーも数多くあります。

例えばフィルムをつくるメーカーや、プラスチック成形品をつくるメーカー、ゴム製品を作るメーカー、などなど。
大手メーカーは自社グループ内にこのような加工メーカーと呼ばれる会社を持っていることも多いです。

 

【2020年化学業界】化学メーカーの売上・年収ランキング/現状や動向を解説する | 情報のアンテナ

 

 

素材・化学業界のカルチャー

さて、働く上で気になる素材・化学業界のカルチャーですが、全般的に言うとマッタリという傾向が強いです。

ただし、専門分野の違いによりカルチャーも異なっています。

石油化学産業・川上の原料をメインとする会社は、マッタリ度合いが強いです。
お役所的な雰囲気に近い感じです。

「昔からある製品を安定的に供給し続ける」
「前例を踏まえて同じことをやり続ける」
そういう傾向があります。

 

反対に、最先端の機能性化学製品を取り扱う会社はイケイケで厳しい社風が多いです。

「新しい機能をもつ製品を生み出す」
「新しい業界に参入していく」

そんな気概が必要とされる分野です。
最先端素材を扱う会社の方がイキイキとしていて活発ですね。
ただし、その分業界の浮き沈みに影響を受けやすく、波が激しいかもしれません。

 

その点、川上の原料メーカーは、景気の影響はもちろん受けますが、良くも悪くも安定しています。
川上メーカーほど新規参入が難しいので、既得権益をどう守り続けるかという方向性にいきやすいんですね。

 

 

素材・化学業界で就職するならこんな会社が狙い目

素材・化学業界で就職するなら、ボクのおすすめは
「独自技術による有力素材をおさえているメーカー」
です。

ポイントは2つです。

 

ポイント1:素材メーカーであること

1つ目のポイントは素材メーカーであること。
化学業界においては自社素材をもつかどうかは大きなポイントです。

自社素材をもたない加工メーカーは、立場として厳しいものがあります(もちろん例外はありますが)。
加工メーカーは、川上の素材メーカーと製品メーカーの間で、両者から無理難題を押し付けられる立場にあります。
加工技術に光るものがない場合にはそれがより顕著で、コストだけでの勝負をせざる得なく、全然もうかりません。
つまり給与も低いのです。
加工メーカーは、立場的に弱いので労働時間も長くなりやすくブラックな職場環境になりやすい傾向があります。

 

その点、素材を抑えているメーカーは強いです。
素材メーカーはホワイト企業が多いでしょう。

 

 

ポイント2:独自技術を持っていること

もう一つのポイントは、独自技術です。
一口に素材と言っても、特徴のない素材をもっていても競争力はありません。
高い技術がなくてもつくることのできる素材は、新規参入メーカーにより競争が厳しくなることが容易に起こりえます。

特に最近は、中国メーカーがどんどん新規に参入してくる傾向があります。

そこで、品質面や特性面で優位性を保ち続けることができる技術力をもっているメーカーは強いです。

世界で数社しかつくることのできない有力素材で、そのシェアが世界で3番目までに入っていれば理想的ですね。

 

たとえば例を挙げると炭素繊維。
炭素繊維は最先端素材で、世界でつくれるメーカーが10社前後しかありません。さらにその中でも高い特性をもつ炭素繊維をつくることができるのは世界で3社ほど。

東レ、三菱ケミカル、帝人です。

この3社は立場は非常に強いですね。

 

 

大手以外の狙い目「グローバルニッチ」

このような高い技術力を持つ大手メーカーはオススメですが、その他にもオススメしたい会社はあります。

「グローバルニッチ」と呼ばれる会社です。

グローバルニッチとは、ニッチな分野における世界トップ企業を指す言葉です。

このグローバルニッチ、言葉自体を聞いたことがない人もいると思いますが、実は国も使っています。

経済産業省が毎年、
「グローバルニッチトップ企業100選」
という会社群を選定しているんです。

これには化学メーカー以外も含まれていますが、「素材・化学部門」からは20〜30社ほど選定されています。

2020年版グローバルニッチトップ企業100選

この中には大手以外のメーカーも多数ありますが、技術力が高くて、その分野における競争力が客観的に認められていますのでオススメです。

大手でなければ知名度が低いので、就職活動のライバルが少ないという点からも狙い目ですね。

 

 

最後に

素材・化学業界の構造、カルチャー、狙い目の会社について、お伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか。

素材・化学産業は、電化製品などと異なり日本の技術力がまだまだ相対的に高く、世界的に見ても競争力のある分野です。

一般の人には馴染みがなく地味ではありますが面白い業界です。

この記事の内容を参考に、ぜひご検討してみてください。